研究記と書いたからには研究のことを書いていくことにしなくてはならない.しかし,友人に「研究部分は意味がわからないから読みとばしてる」とよく言われるので,だんだん書くのをやめていた….

ところが先日S先生の日記にリンクを張られてしまったので,研究のことを復活させなくてはならないような気がしてきました.(アホなことばかり書かずに)しっかりと研究しなさい!と無言の(暖かい)圧力を感じるのであった.(S先生,ありがとうございます.)

そこで,少し,自分の新しい(研究)環境を説明しておきます:

ここ,情報科学科数学教室は,O澤先生を除いてほぼ皆さん数学の方です.早稲田の時のように各研究室単位ではなく,学生,研究生は1つの大部屋に席をもらうので,自分もその一角に席をもらいました.周りの学生さん,研究生のかたもほぼ数学の方なので,とても新鮮な感じを受けています.

こっちでの生活は基本的に火曜日,木曜日にO澤先生,H田さんとドクターのK君と議論をします.金曜はH合先生のゼミにも出させてもらってます.

今O先生,Hさん,K君でQuantum Operationの推定問題に着手されているので,自分もいろいろと計算をしてみる(3人はqubitで面白い結果を得ているので,自分はN次元への拡張をお手伝いしております.さっそくMapとして任意のオペレータのCONSから構成されるものを採用すると全てで予想を再現することを示した.).それは量子状態の推定問題に帰着されるのだが,すなわち1イベントの測定から状態(のパラメータ)を推定することになります.今まで量子論を多数回のアンサンブルとしてばかりとらえていた(N木先生の影響か…)ので,とても面白く感じております.とりあえずなじみのBlochベクターの推定としてFisher情報量など計算してみました.また,O先生とはBlochベクトルを越える状態表現を進めることにしました.まだアイディア(群環を利用する)の詳細は公開しないけれど,2準位系のBlochベクトルの持つ特性をいかした新しいもので,昔アメリカの物理学者(名前を忘れてしまった…)に似たようなことを言われたものでした.自分が最近Kossakowski先生と出したアイディアをO先生に話すと,O先生はむしろアメリカの人のアイディアを真っ先に提案された.現時点では状態表現としてはもう使えることは判明して,後は状態空間がどうなるかを検討しています.

まあ,なんやかんやと研究はスタートしたわけで,何が生まれるかわかりませんが,精一杯やっていくつもりです.