やっとレフェリーレポート終わった

面白い結果ではあったが,その結果が意味することの主張を履き違えていることが否めなかった.

そういうことはもったいないと思う.

同じ結果であってもそれがどのような物理的意義を持つかを指摘することは大変大切なことであると思うし,逆にそれを指摘すること自体はとても評価されるべきことだと思う.例えば世の中に知られている未解決問題があってそれを解決する人は偉いかもしれないが,重要な問題提起(概念の提案とかも含)をすること自体もとても重要なことだ.

何らかの結果があったとしても,それにどのような意味づけをして発表するか,これは特に自分みたいなあまり頭も良くないのに頑張って研究を目指す人には欠かせない.元々問題があって,それを解決する方向だけで進めると,それが解けるかどうかなんて保証はどこにももないのだ.研究とか進めているうちに副産物として何か結果が出ることのほうがよほど多い.その時に,その結果に改めて重要な意義を見出して発表することでつなぐことが必要となる.自分も今までの研究はそうしてきたつもりだが,同じ結果にどのような物理的な意義付けをできるか,これには相当の時間と労力を費やしてきた.

今回読んだ論文は結果はnontrivialなのだけに,そのあたりの議論が浅薄なのが残念でしかたがない.

レポートにはやわらかく著者の主張の方向性がおかしいことを,実際に事例を出しながら指摘して,構成からやり直して投稿すべきだ,みたいなことを書いて出してしまった.